私が、スキーの競技を終え、山から帰ってきたのが2001年5月の頭。
その時、従兄に消防士向いてるんちゃうと言われ、「めぐみの大吾」を読みました。
それがきっかけで、消防士に憧れるようになりました。

そこで、公務員試験を調べてみました。
最終的に、受験が出来る試験まで、残り6ヶ月しかありませんでした。
(年齢制限がぎりぎりでした)

しかも、今まで私は、全く受験勉強をしたことがありませんでした。
高校は農業高校、推薦で短大に行っているので受験勉強は全くしてませんでした。
公務員試験のテキストを見たとき、ちんぷんかんぷんでした。

最初から、公務員試験の裏技の本を読みました。
そういう本が売っているんです。
5択の試験なんで、「答え」から、ある程度は出題者の意図が読めます。

とにかく、最短距離で行きたかったんです。
というより最短距離で行かないと時間がなかったんです。

幸いだったのは、中学校の同級生と再会した事です。
その友人は、ちょうど公務員試験の1次試験に合格し、これから2次試験を受ける所だったのです。

その友人に紹介をもらい、LECという公務員試験の学校に行くようになりました。
そこから、私は勉強を始め、4ヶ月後に倍率80倍の試験に合格しました。

応募者数がおよそ、400人。
1次試験で、16名に絞られ、最終合格者は6名。

もちろん、この間私は、本気で勉強しました。
モーグルスキーの選手時代に培った、物事に対する姿勢が高かったと思います。
私は、努力したのでしょうか?

確かにそういう見方も出来ますが、やったことと言えば、繰り返し繰り返し問題を解いただけです。
膨大な量でしたが、それをやると決め、あとはやるだけでした。
姿勢やあり方が作られれば、あらゆることに結果が出せると感じるようになってきました。

その影で取り組んだ家族との絆

スキーの選手を終え、大阪に帰ってきて、受験勉強を始めて間もない頃。
私の家族には、大きな問題がありました。当時、家族は、母と、弟と、私の、3人で暮らしていました。

口を開けば、喧嘩ばかり。
何か物事が起これば、誰のせいかという話になり、責任をなすりつけあう。
そんな日々が続いていました。

実は、この時、私、あることを決めていたんです。
消防の受験に失敗したら、新潟県辺りで、お酒でも造ろうかなと。
山の近くに住みたいと本気で考えていたんです。

何か、一つでも家族に恩返ししておこう。今しか、チャンスはないな。そう思ってました。

この頃、私は一冊の本に出会いました。それが、「7つの習慣」という本です。
その時、この本を参考にして、一つのプロジェクトに取り組みました。

家族と、とても仲が悪かったので、楽しい家族を作りたいと思いました。
「楽しい家族にするプロジェクト」を実践しました。

試したんです。本に書いてあることをそのまま実践しました。
多くの人が、本を読んでも成功しません。
その原因は、本を読んで知識は学びますが、実践がないんです。

知っている事と、やれることは違う。
試していくなかで、実践の力はついてきます。

仲がよければ、毎日が楽しい。どうせ、一緒に暮らすんだったらワイワイやりたい。
それが、私の意図でした。

このプロジェクトは、半年間で、結果が出ました。家族は、みるみる仲がよくなりました。
そう、ちょうど、消防の受験が終わる頃には、楽しい家族というかけがえのないものも手に入れていたんです。

週に一回は家族会議を開き、月に一度は、一緒にカラオケに行きました。
素晴らしい家族になりました。

私の自慢の一つです。
あなたも是非、試してみてください!

家族憲法を作る

家族憲法は、家族に方向性だけではなく、一貫性と、まとまりを与えてくれます。
家族の中心にあるものは、不変であり、なくならないものです。
これが、家族が共有している意図と価値観です。

この意図と、価値観に基づいて、話を進めます。

家族憲法を作る一番のメリットは、問題と人を切り離すことができることです。
問題が起こった場合によくあるのが、誰が何をしたと言い合いになることです。
言い合いはつきないので家族憲法に対して、忠実であったかを焦点にしましょう。

作成するプロセスが、できあがった文章以上に大切です。

文章以上に、作成する背景や、プロセスが大切なんです。
だから、表面的なことを真似しても結果は出ないのです。
そして、常に磨き続ける必要があるのです。

アタリマエになった瞬間に、その憲法は崩壊するのです。

家族憲法を書き、それを磨いていくプロセスそのものが、家族を改善に
向かわせる重要な鍵を握っています。

絶対に守らなければならないのは、家族憲法を全員で作ることです。

家族全員の声を聴いて、家族憲法の下書きを書きます。
それについての意見を集めて、修正を加え、それぞれの言葉を活かします。
その過程で、家族に深い対話が起こり、コミュニケーションが起こります。

実践の章  「家族憲法の実例」

私たちのミッション(使命)は、楽しい家族にする事である。
このミッションを達成するために、私たちは次のことを決心している。

・私たちは進んで行動する・・・家族に影響の輪を広げる。頭と率先力を使い、進んで状況を改善する行動を起こす。 
・私たちは、お互いを尊重して豊かなコミュニケーションをとる・・・週に1回の話し合いをし、月に1回のカラオケを行なう。
・私たちは約束を守る・・・信頼の橋を築く。
・私たちは、大人同士のつき合いをする。 

以上です。 

POINT

・全員が参加している。
・それぞれの期待を明確にしている。
 (週に1回の話し合い、月に一度のカラオケ)
・意図が明確。(楽しい家族にする)
・価値観が明確。(行動と信頼、同じ立場で話をする)

危機が訪れたとき、憲法を取り出しましょう。

何が最も大切かを思い出すことができるし、正しい原則に基づいた問題解決と、
意思決定が与えられます。

家の、一番目立つところに張りましょう!!!
そして、定期的に見直しましょう。

きっとあなたの宝物になりますよ。